リポバッテリー(充電器)を使いたい!注意点 part.1
リポバッテリーは高性能。だけど取り扱いには要注意を
Li-PoやLi-Feのリポバッテリーはニッケル水素やニッカドバッテリーより高電圧・大容量・軽量なので使ってみたいと思われる方は多いでしょう。
でもリポバッテリーは取り扱いに注意する必要があり最悪の場合には出火や爆発します。もちろん正しい取り扱いをすれば安全に高性能を楽しむことができます。
ここではLi-Po、リチウムポリマーの取り扱いの説明をしていきます。少し難しいですがリポバッテリーの正しい知識を知っておきましょう。
合わせて「リポバッテリーを使いたい! part.2」もお読みください。
リポバッテリーの基礎知識
まずはリポバッテリーの基礎知識からです。
リポバッテリーの電圧
リポバッテリーは1セル/3.7Vです。電動ラジコンカーでは2セル/7.4Vで使用することが多いです。7.4Vとは定格電圧のことで、実際に満充電された状態では8.3~8.4V程度まで上がります。ニッケル水素やニッカドが7.2Vが主流ですのでリポバッテリーのほうが高電圧だと分かります。
リポバッテリーの出力
25Cというような表示がリポバッテリーには表示されています。これは出力表示といいます。出力表示にバッテリー容量を掛け算した値がリポバッテリーの定格出力です。
例として、出力表示25C、バッテリー容量2400mA(2.4A)では定格出力60Aとなります。
リポバッテリーを購入する際にはリポバッテリーの定格出力>使用するスピコンアンプの定格出力となるように注意します。先ほどのリポバッテリーでは最大で60A以下の定格出力を持つスピコンアンプを使用できます。
実際には定格出力差に余裕を持って使用しましょう。最悪の場合にはバッテリーの放電能力がスピコンアンプに追いつかず、過放電~出火、爆発の危険性がありますのでよく確認して購入しましょう。
リポバッテリーの重量
リポバッテリーとニッケル水素バッテリーを同じ容量同士で比較すると200グラム程度、リポバッテリーのほうが軽いです。
軽いのはいいことなのですが、ニッケル水素バッテリーとの差が激しいために搭載するシャシーによっては左右や前後の重量バランスが変化することがあります。
RCメカレイアウトの見直しやセッティングの再調整をする必要がありますので頭に入れておきましょう。
コネクターに注意しよう
ニッケル水素バッテリーなどに使われているコネクターは、最大15A程度にしか耐えられません。
そのためリポバッテリー使用にあたっては、2Pタイプなどの大電流に耐えられるコネクターに交換する必要があります。注意しましょう。
リポバッテリーの充電
ニッケル水素やニッカドバッテリーでは、デルタピークを充電器が検出すると充電を終了します。ところがリポバッテリーはデルタピークの検出ができません。
このためニッケル水素やニッカドバッテリーの充電器でリポバッテリーを充電すると、充電が終わらずに過充電になり、出火や爆発の危険性があります。リポバッテリーの充電は必ずリポバッテリー対応充電器で行いましょう。
リポバッテリーの充電方法
リポバッテリーの充電電流は、バッテリー容量値が充電電流値になる1C充電が基本です。
2400mAのバッテリーなら2.4Aで充電します。充電器の種類によってはバッテリー容量の入力で、充電電流値を自動に設定するものもあります。
1C以上の充電電流を可能にしたリポバッテリーも発売され始めていますが、充電電流が高くなるほどバッテリーの寿命が短くなることを知っておきましょう。
リポバッテリーはバランス充電をしよう
2セル以上を組み合わせたリポバッテリーでは使用が進むにつれて、各セル間で電圧差を生じてしまいます。このためバランス充電と呼ばれるセル間の電圧差を無くす充電が必要になります。
これにはバランス充電に対応した充電器を使う必要があります。充電時にはバランス充電モードになっているか確認をしてから充電しましょう。
充電時間が多少長くなりますが、バッテリーのコンディション維持を考えると毎回バランス充電することをオススメします。
リポバッグを使用しよう
充電中にリポバッテリーが出火、爆発すると周囲の人や物に多大な損害を与える可能性があります。リポバッテリーは必ずリポセーフティバッグに入れて充電しましょう。
サーキットではリポバッグの使用を義務付けているところが多く、リポセーフティバッグを使用しないで充電するとペナルティを課されることがあります。

ラジコンカーだけではなく携帯電話やパソコンなどにも使われているリポバッテリーは、従来のニッケル水素・ニッカドバッテリーより遥かに高性能ですが取り扱いを誤ると危険です。リポバッテリーを正しく使って安全にラジコンカーを楽しんでください。