「3RACING SAKURA XI SPORT NU」をレビュー【おすすめのシャーシ】

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コスパだけは最高のシャーシ

香港製のシャーシ「3RACING Sakura XI Sport 1/10 Touring Car Ver.NU」。

もしタミヤ製で同等のシャーシを装備をすれば、少なくとも3万円を超えるであろう内容ながら、実売9,000円前後という少々怪しげなシャーシです。

このシャーシは結構壊れやすいのですが、これ一つで何も付け足さなくてもいいことから私の周りでは結構人気であります。

「絶対に最初から飛ばさないでライン取りとブレーキング、コーナーリングでゆっくり走らせて勉強します」と、ご先祖様に誓える方なら初めからこの一台でも構いません。

3RACING SAKURA XI SPORT NU

構成

ダブルデッキ、ベルト4WDでフロントダイレクト、リアギアデフ。フルベアリングでユニバーサルシャフト、オイルダンパーまでついてきますし、新型NUではとうとうスタビバーまで標準装備になりました。

リアトーインは3度。マニュアル通りに組むとフロントはかすかなトーアウトになります。

キャンバー角は指示がないのですが、これもマニュアル通りに組むとリアはかなり強めのネガティブでフロントが若干のネガティブになります。

3RACING SAKURA XI SPORT NU-1

これが組みあがったお姿です。

3RACING Sakura XI Sport 1/10 Touring Car Ver.NUの長所と短所

長所

とにかくこの一台で例えばタミヤTA-07PROを超える構成が完結できる点でして、車高はもちろんキャンバー角やリバウンド、激安パーツの交換でリアトーインまで変更可能です。

オリジナルで固めのスプリングが付属しますが、ここはタミヤのノーマルスプリングが使えるので困りません。

3RACING SAKURA XI SPORT NU-2

私はまだまだ「速い人」ではないので、マニュアル通りでも構わなかったのですが若干リアが固い気がしていました。

幸運にも知り合い(と呼んだら本人怒るかもですがバレなければよろしかろう)に世界選手権の常連のお方がいまして走らせてくれました。感想としては「ちょっとリアが固いみたい」とのことでしたので、「やっぱりね」とリアのスプリングだけタミヤのノーマルの蛍光黄色(ミディアム)に変更しています。

それでも慣れてくると若干リアが滑りすぎているようなので、ダンパー取付部を二つ内側に寝かせています。(ダンパーを寝かせると柔らかい方向になるので)一般的にリアが滑るときはリアを柔らかくしていきます。

非常に基本的で素直な構成なので「マシンで走る」というよりは、自分のセッティングと腕で走ることになってちょうどいい練習とセッティングの基本が身に付きますのです。

実際知り合いに世界選手権出場者がおられるのですが、この方はこのシャーシで全ての先輩方のマシンを周回遅れにしていきます。

これを目の当たりにすると、「ああやっぱり自分は腕を磨いて練習するべきなのね、パーツに頼っている場合じゃないのね」と思い知らされるのです。

短所

一番の短所はとにかく壊れやすいこと。ちょっとこすった感じだけだったのにそこまで壊れてくれますか?というくらい。特にフロントサスアームはしょっちゅう折れてくれます。

また細身のロアデッキからモーターがはみ出したまんまなので、ぶつけ方によるとモーターまで壊れてくれます。このように何度かぶつけてモーターまで傷が入りました。

下手をするとモーターの端子のところが折れてくれますし、この段階ですでに少々モーターマウントが歪んでしまっているのですが・・

3RACING SAKURA XI SPORT NU-3

ぶつけなくても壊れてくれます。ある時異音が生じて調べてみるとギアデフ自体が空回りしています。

3RACING SAKURA XI SPORT NU-4

3RACING SAKURA XI SPORT NU-5

3RACING SAKURA XI SPORT NU-6

ベベルギア自体は無事なようなんですが、結局上の三枚目のデフケースを締めているビスのネジ山がバカになっていてケースの合わせ目が浮いてきているのでした。

このデフはもう一度慎重にビスを締めなおして復活はしたものの、ネジを回すとどこまでも回ってしまって止まる感触がないのでやがてダメになりそうです。

そうして何度もぶつけていると、そのうちシャーシそのものが歪んできます。

同じくこのシャーシで走っている方は「私なんか一体何枚このロワーデッキ(シャーシの床の部分)を買ったことか」とか嘆いていました。

パーツ類は安くてそのロワーデッキも一枚980円とかなのでいいっちゃいいですし、まあぶつける方が悪いと言われればその通りなのですが。

3RACING SAKURA XI SPORT NU-7

ただしおそらくはスチール製だろうターンバックルだけは非常に硬く、例えばアルミ製だと角が崩れてきますがこれだけはめったに傷がつかないのが救いです。

しかしそのターンバックルを外そうしただけで、ピロボール側のネジそのものが引っこ抜けるというのはいかがなものでしょう?

このようにネジロックを塗っていても走行中にピロボールが外れたりしますが、このイモネジの方も半分バカになりつつあるのです。

3RACING SAKURA XI SPORT NU-8

3RACING Sakura XI Sport 1/10 Touring Car Ver.NU「まとめ」

組み立てには注意が必要

「マニュアル通り」とはそれこそ正確に、例えば26.5mmとあれば26.4でも26.6でもなくて、26.5mmに合わせます。なのでノギスは必須工具になります。

ターンバックル以外すべてのネジが一回締めただけで微妙に変形してますし材質が柔らかいのでしょうか?

仕方がないので組み立てる際はネジにちょっとだけシリコンオイルを塗ってやればいいそうで、本格的には樹脂側の穴にタップを立てるのが理想です。

しかし穴の数だけで面倒くさがりの私は茫然としますし、このシャーシにそこまでしてあげる義理立てもないだろうということです。

またネジの締め方自体漫然とねじ込んではまずいようで、全て垂直に入って行っているのかを目視しながら作業した方がいいですし、普通締めきったらその手ごたえがあるものですが、どこまでも入って行ってバカになったりもするので組み立ては慎重に進めます。

でもまあ程度問題で、私も心臓移植の手術かというほど集中してやっているわけではないですが。

ここら辺は当サイトの別ライターである「RC CAR KEIGO」さんの記事がお役立ちです。

➤➤キット組み立てのポイントはネジの扱いかた

基本に忠実に走ること

私自身まだ「スロットルを握りすぎているなあ」とハッと気が付いては「イカンイカン、早めのブレーキングでコーナー前半はちょっと握って」と繰り返しています。

前述した世界選手権の・・もう面倒なので今後「Mr世界」さんとしておきますが、その方が見ていると「全員まだまだ握りすぎてコーナーにオーバースピードで突っ込んでいる」ということだそうです。

私もMシャーシの経験しかなかったもので、初めのころはスロットルはほぼONかOFFかという状態でフルスロットルかフルブレーキングでした。しかし今思えばそれじゃあどんなシャーシだって滑るし曲がらんしなあと反省しきりです。

これも詳細はここら辺参照。実際私も「RC CAR KEIGO」さんの記事読みながら勉強してます。

➤➤ラジコンカーのセッティング方法が分からない

3RACING Sakura XI Sport 1/10 Touring Car Ver.NUの総合評価

10点評価で7点というところでしょうか。

壊れやすいのでビギナーには酷なシャーシですが、ぶつけない自信があればいい練習用になります。

なので初めの方で書いたように、遅くてもいいからライン取りから練習しようと我慢できる方ならラジコンカー初心者にもおすすめします。なにしろ改心した私が走ってますので。

コストパフォーマンスは良いと思います。

パッと見豪華絢爛なのに安いので、つい買ってしまって何度も壊れて嫌気がさすシャーシです。なので万人向けとは言い難いものの、メインで使うシャーシと比較しながら走らせるとセッティングの実験用として使えます。私は重宝していますけどね。
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