ラジコンカーのボディをオリジナルで作るといくらかかるのか【ポリカ】

先日、ある方との会話の中で「オリジナルRCカーボディ作りたいけれど、いくらかかる?」といった質問がありました。

その方は1/10電動ツーリングカーを真剣に楽しんでいるエンジニアです。現在流行しているラジコンカーのボディデザインに疑問点があって、自分が考えるデザインでボディを作ってみたいとのことです。

たしかにラジコンカーを走らせていると、自作のオリジナルボディを作ってみたくなります。モデル化されていない車種のボディを作ってみたいと思っている方もいることでしょう。

そこで今回は、「ラジコンカーのボディをオリジナルで作るといくらかかるのか」を紹介していこうと思います。

この記事の目次

ラジコンカーのボディが作られる工程

まず知っておきたいことは、ラジコンカーのボディが作られる工程です。

ボデイデザインの立案

作りたいボデイデザインが決まったら図面を起こします。

ちなみに現存する実車をモデル化する場合であっても、実際のサイズを忠実にスケールダウンして図面に落とし込むようなことはしません。

RCカーの場合はシャシーの寸法ありきなので、シャシーに合わせたデフォルメを施します。

木型の作成

図面を基にして木型を作成します。

図面からいきなり金型に移行することもありますが、木型の段階で寸法や形状を修正することがほとんどなので外せない工程です。

金型の作成

木型で寸法の修正やデザインを煮詰めたら、金型の作成に取り掛かります。

近年はRCカーのボディも、木型を3Dスキャナで読み取って金型にコピーすることが多いようです。

ボディの成型

金型を真空成型機にセットしてボディを成型します。

真空成型機のイメージは下の動画を見てください。

ラジコンカーのボディが作られる工程は以上のような感じです。

この中で一番費用が掛かるのが金型の作成です。一般的に金型代は国産乗用車1台分といわれています。

しかし小ロットで成型するときは樹脂型を使うことがあり、こちらなら数十万円で製作可能です。

樹脂型は耐久性に乏しくて割れたら終了、成型回数を増すごとに形状が変化していくなどのデメリットがありますが、500~1000枚程度の成型であれば問題ありません。

なお樹脂型を作るときに木型をマスターとしながら複製する方法があります。

木型を雄型として樹脂で雌型を作り、その雌型から樹脂型を作成していきます。この方法であればさらに費用を抑えることが可能です。

ラジコンカーのボディをオリジナルで作るといくらかかるのか

図面を自分で書ける、樹脂型、1ロット成型数100枚、このような条件であれば1/10電動ツーリングカーのポリカボディで100万円ほどです。単純計算で単価1万円ですね。

高いか安いかはその人の感性によって異なりますが、100万円あればオリジナルボディの夢が叶うことになります。

ここまでRCカーのオリジナルボディ作成費用についてお話ししてきましたが、販売目的の場合はさらに費用が掛かります。

実車(レーシングカーも含む)を基にしてボディを作成~販売する場合は自動車メーカーの公認が必要で、毎年ロイヤルティー(版権使用料)を払わなければならないからです。

RCカーのボディで自動車メーカーの公認をとらずに「Tタイプ」とか「Nタイプ」などと表記しているボディがあります。

しかしこれらは版権逃れの策であって、グレーゾーンであることを知っておきましょう。

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