ラジコンカー大手メーカー京商が銀行系ファンド傘下で経営再建決定

投資ファンドによる京商株式会社の経営再建が決定

京商といえば、RC業界でタミヤと並ぶ最大手メーカーです。

そんな京商が投資ファンドの傘下に入って経営再建を図ることが発表されました。

日本経済新聞などに掲載されたニュースをまとめると以下のような感じです。

  • 新生グループの投資会社である新生企業投資などが設立した投資ファンドが、京商の全株式を取得した。株式の取得額は10億円程度。
  • 前社長の鈴木明久氏は顧問に退き、渡辺克美前常務が新社長に就任。ファンドからも5人の社外取締役を派遣。
  • 従業員数を96名から65名に縮小。
  • 1963年に創業された京商だが、最盛期に150億円あった年間売上高が30億円に減少、営業利益の赤字が続いている。
  • 今後はアジアやドイツ、アメリカを重点地域としながら、初心者向けに価格を抑えた商品展開で事業領域を広げていき、海外市場を中心としながら売上高で毎年7%の成長を目指す。

国内のRCメーカーの中で2番目の規模を誇る京商の経営再建のニュースには驚きました。

しかし株式取得額が10億円ほどなので、それほど大きな規模ではないようです。

気になるのが京商の今後ですが、投資ファンドの傘下になったことで従来とは違った展開に移行していくのは必至でしょう。

前社長の鈴木明久氏が推していたミニカー事業にも動きがあるかもしれません。

個人的に京商は一本筋の通ったメーカーという印象がありました。RCカーでいえば、1/8エンジンレーシングカーや1/8エンジンバギー、ミニッツなどです。

これらの得意分野では、ある意味採算度外視で突き進んでいき、世界制覇を目指すという姿勢に好感を覚えたものです。

しかしいつからか京商らしさを失う事業方針に転換、今回のような結果に至ったことを一ファンとしては残念に思います。

 

これからの新しい京商はどうなるのか

RCを始めとした玩具業界も少子化や遊びの多様化による影響を受けた低迷が続いています。

しかし世界規模で見るとアジアを中心とした市場拡大が期待されていて、現在の8兆円規模が2020年には10兆円を超えると見られています。

今回の京商経営再建を悲観する向きも多いかと思いますが、玩具業界にとってこれからのビジネスモデルになる可能性を秘めています。

京商が長年かけて培ってきた豊富な知識やノウハウ、高いブランド力に加えて、ファンドが持つ知見や経営ノウハウによって新たな販路や販売手法の拡充が期待されます。

そのことが他のメーカーの見本になってビジネスモデルとなることで、再びRCカー業界が活性化して脚光を浴びる時代がやってくるかもしれません。

新たに生まれ変わったこれからの京商に期待です。

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