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ラジコンカーのチューンナップはトータルで考える
ラジコンカーの楽しみのひとつにチューンナップがあります。
様々なオプションパーツ中から自分好みのパーツをセレクトしてもいいですし、レース参加が目的ならルールの範囲内で性能アップを狙うこともできます。
「チューニング=パワーアップ」というイメージがあるのではないでしょうか。
しかしトータルバランスを考えながら目的に合ったチューニングをしないと、性能ダウンにつながることもあります。
限られたパワーを生かすチューニング
ラジコンカーのレースではモーターやエンジン、バッテリーがルールで規制されることが多く、結果的にほぼ同じパワーで戦うことになります。
そのような状況では、軽量化や駆動系のフリクションロス低減によるチューニングが有効です。
パーツの材質を変えて軽量化
昔と違い、現在のRCカーは非常に洗練された設計になっているので、ユーザーが穴を開けたり削ったりする軽量化の余地がほとんど残っていません。
そのため強度を保ちつつ軽量化する方法として、軽い材質に交換することが行われます。
キットには多くのネジ(ビス)やナットが使われていますが、ほとんどが鉄(スチール)です。
これをチタンやアルミに交換することで、かなりの軽量化が期待できます。
その他にアルミパーツをカーボンに交換したり、無垢のシャフトを中空にするなど、様々な軽量パーツが発売されています。
しかし同時に財布の中身も軽量化されてしまうので、コストパフォーマンスを計算しながら軽量化を楽しみましょう。
なおレースに参加する場合は、最低重量を下回らないように注意します。
極限まで軽量化しておき、おもりの搭載位置で走行特性を変えつつ、最低重量を満たすといったセッティング術がエキスパートの間でよく行われています。
駆動系のフリクションを軽減する
初心者向けのRCカーの軸受けには、樹脂やメタル軸受けが使われています。
これらをボールベアリングに交換することで、フリクションロス軽減が可能になります。
特にツーリングカーやラジドリ、バギーの駆動系には多くの軸受けがあるので、大幅なフリクションロスの軽減を期待できます。
ドライブシャフトにドッグボーンが使われていたら、ユニバーサルシャフトに交換することでコーナリングがスムーズになり失速感が軽減します。
ユニバーサルシャフトにすることで脱落しにくくなり、レースではリタイヤの確率が減るという利点もあります。
走行特性を変えるラジコンカーのチューニング
メインシャシーを変えて走行特性をチューニングする
ラジコンカーのメインシャシーは、カテゴリーによって様々な形状をしています。
しかし共通しているのは、高剛性でありながらしなりやたわみといった相反する性能を要求されることです。
過去にはカーボンモノコックシャシーといった、実車のF-1マシンのような超高剛性シャシーがトライされました。
しかしラジコンカーで重要なしなりやたわみが得られず、ただ単にサスペンションセッティングがシビアになるだけ、といった結果しか残せずに消えていきました。
車種によっては材質違いのメインシャシーが発売されています。メインシャシーを交換すると、走行特性を変化させることができるので、場所に合わせたセッティングが可能です。
最近では1/10電動ツーリングカーや1/12電動レーシングカーの世界で、メインシャシーをジュラルミンに換装することがあります。
ジュラルミンから始まったRCカーのメインシャシーがカーボンが主流になり、再びジュラルミンが注目を浴びるようになったのは面白い傾向です。
オイルダンパーに替えて走行特性を向上させる
ハイエンド向けのレースマシンならオイルダンパーが標準装備されていますが、初心者向けのRCカーにはフリクションダンパーが装着されていることがあります。
構造が簡単で安価なフリクションダンパーですが、細かい調整をするには不向きで追従性に劣るデメリットがあります。
フリクションダンパーをオイルダンパーに交換することで、細かいギャップの走破性が上がってタイヤの性能をより引き出すことができ、タイムアップにつながります。
オイルダンパーは表面処理やピストンの材質などで、各メーカーのコンセプトがはっきりと出るパーツです。
レースのレギュレーションで縛られていなければ、様々なメーカーのオイルダンパーを試してみると面白いですよ。