ラジコンカー用バッテリーの種類比較(違い)

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ラジコンカーのバッテリーは2つのタイプがあります

走行用バッテリーは大きく分けて「ニッケルタイプ」と「リチウムイオンタイプ」2つのタイプがあります。

ここではそれぞれのタイプについて説明していきます。

 

扱いやすいニッカドバッテリー

ニッケルタイプはニッカド(Ni-Cd)ニッケル水素(Ni-Mh)の2つがあります。電動ラジコンカーの初期では乾電池や単2型の充電池を4~5本電池ケースに入れて走行させていました。

その後タミヤからサブCと呼ばれる、単2より一回り小さいニッカドを5セル連結し、プラケースに収めたパックバッテリーが登場しました。この頃は1.2V×5=6Vでした(セルとはバッテリーの個数を数えるときの単位で1本=1セルとなります。)

次に1セル追加し「ラクダバッテリー」と呼ばれた6セル、7.2Vが登場しましたが、そのラクダのコブみたいに飛び出た1セルが邪魔をし、シャシー設計の妨げになることから姿を消しました。

そこで登場したのが3セルを縦につなげ、それを2つ並べて1セットにした7.2Vパックバッテリーです。外観はシュリンク(熱収縮)チューブで覆われ、軽量でその形状ゆえのシャシー適合性や自由度の高さで現在でも変わらないデザインで使われています。

ちなみにこの頃はサンヨー製がほとんどでした。1200mAから始まったニッカドは2400mAまで容量を増やし、安価で比較的扱いやすいことから現在でも使用されています。

 

大容量なニッケル水素バッテリー

次にニッケル水素が登場し、ニッカドと同じ寸法なのに大容量化を実現。

特にレースシーンでは一番の関心事であるバッテリーの持ちを気にせず楽しむことが可能になり、一躍バッテリーの主役になりました(次第にモーター性能が上がっていきニッケル水素でもバッテリーの持ちが課題になりましたが)。

ニッケル水素では3700mAの大容量タイプが登場し、ニッカド初期の実に3倍まで進化しました。なお、容量が増すごとに重量も増していきます。重量が重要なRCカーレースでは、予選などで短時間の走行をするときに容量を抑えたバッテリーで軽量化することがあります。

ニッケルタイプの頃は各社から6セルの個体差を限りなく無くした「マッチドバッテリー」やザップド処理により電圧を高めた「ザップドバッテリー」が登場しレースで使われていました。しかし1パック1万数千円の高額さがネックとなっていたのも事実です。

 

乱暴に扱うと寿命を縮めることも

ニッケルタイプバッテリーは数百回の充放電が可能です。

でも過酷な条件で使用されるバッテリーなので、取り扱い方で大きく寿命が違ってきます。基本的に使い切ってから充電します。バッテリーが熱を持っているときは冷ましてから充電します。

少しだけ使って追充電を続けているとメモリー効果で電圧が降下したり、容量の低下が起こってしまいます。こうなるとスピードが出なくなったり、すぐにバッテリーがなくなってしまうことになります。最後まで使い切ってから充電しましょう。

なお使い切らないで充電したい場合は、モーターを空回しして使いきるか、放電器を使って放電しましょう。

短期間での連続充放電も寿命を大幅に縮めます。できれば数本を使いまわして、1日の走行で同じバッテリーを何回も使用しないように工夫しましょう。

 

リチウムイオンタイプは次世代のバッテリー

タミヤ/LF2200-6.6V レーシングパック

大容量なのに軽量、追充電もOKという夢のようなバッテリーがリチウムイオンタイプです。リチウムポリマー(Li-Po)とリチウムフェライト(Li-Fe)があり、 Li-Poは7.4V、 Li-Feは6.6Vが主流です。

1000回以上繰り返し使うことができて、なおかつ性能低下が少なく自己放電が少ないので長期保存に耐えられます。たまに遊ぶような使い方でも気兼ねなく使える利点もあります。

充電には専用充電器を使用します。レースなどでは「バランス充電」を行って各セルの電圧を揃えることにより、バッテリーの性能を最大限引き出すことができます。

 

バッテリーは正しく取り扱おう

安全、高性能なリチウムイオンタイプバッテリーですが扱いを誤ると思わぬ事故を引き起こします。

1.必ずリチウムイオンタイプ専用充電器を使用する
2.取扱説明書をよく読み説明文に従う
3.充電中はその場を離れない(就寝したり外出しないこと)
4.近くに燃えやすいものを置かない(自動車の車内で充電しないこと)
5.充電中に本体の膨れ、臭いを確認したら直ちに充電を中止してバッテリーを外すこと
6.専用の耐燃性バッグに入れて充電することを強くおすすめします

正しく取り扱って高性能を楽しみましょう。

 

電動ラジコンカーはバッテリーの持続時間の短さがネックでした。しかしリチウムイオンタイプの登場で、走行時間の問題はほぼ解消されました。しかし高性能と引き換えに取り扱いはシビアになり、間違った使用による破壊力が増したのも事実です。我流や横着をした使い方をせずに、正しい取り扱いで安全に楽しみましょう。
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