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アライメント調整によりラジドリの走りが大きく変わる
実車ではおなじみのアライメント調整は、ラジドリでも重要なポイントです。
アライメント調整には複数の調整箇所があり、トータルで考えていく必要があります。
ドリフトコントロールのしやすさや、飛距離を長くするためにもアライメント調整をマスターしましょう。
RCカーのアライメント調整にチャレンジしてみよう
アライメント調整は『トー角』『アッカーマン』『キャンバー角』を主にセッティングします。
その他にもキャスター・キングピンアングル・スクラブなど多くの箇所がありますが、まずはこの3つを調整してみましょう。
トー角
シャシー真上からフロントタイヤやリアタイヤを見ると、左右のタイヤが平行ではなく角度が付いています。
この角度のことをトー角と言います。
トー角にはタイヤが八の字(内股)に見える『トーイン』と、逆八の字(ガニ股)に見える『トーアウト』、左右のタイヤが平行な『トーゼロ』と3つに区分されます。
フロントトー角はキャンバー角がゼロのときにはトーゼロ、もしくは0.5度くらいの弱いトーインにすることで直進性が確保できます。
しかしラジドリの多くは10度近いネガティブキャンバーを付けているのでタイヤが台形に摩耗し、それだけでトーイン効果を発生しています(タイヤだけを転がすと内側に向かって転がるのが分かるはずです)。
そのためトーアウトをつけることで、強いネガティブキャンバーによるトーイン効果を打ち消すようにします。
フロントのトーアウトを増やしていくとステアリングの初期反応が良くなり、減らすと初期反応がマイルドになります。
まずは2~3度のトーアウトからスタートして、反応性や直進性を見ながら調整していきましょう。
リアトー角は直進方向のグリップやスライド感に影響してきます。そして基本的にリアは2~3度トーインをつけてスタートします。
スライド感を増やしたいときにはリアトーインを減らしていき、直進方向のグリップ感を出したいときにはトーインを増やしていきます。
サスペンションが沈み込むにつれてトーインが増えていくことを『バンプトーイン』、反対にトーアウトが増えていくことを『バンプトーアウト』と言います。
まずはバンプトーゼロ(沈み込んでもトーが変化しない)から始めていき、必要に応じてバンプトーを調整しましょう。
ラジドリ特有のノウハウが要求されるアッカーマン
アッカーマン
アッカーマンとは、ステアリングを切ったときの左右タイヤの角度差のことです。
基本的には内輪の切れ角を多くとり、4つのタイヤの回転中心点を同じになるようにします。
ラジドリの場合には、左右の切れ角差が少ない『パラレル』(アッカーマンゼロ)にすることが多いようです。
パラレルではパワーオン・オフによる加重移動が頻繁に起こっても、ステアリング特性が変化しにくくなります。
アッカーマンを強めていく(内輪の切れ角を増やす)と、パワーオフにした瞬間のステアリング反応が良くなります。
パワーオフで素早く姿勢変化したいときにはアッカーマンを強めていくといいでしょう。
なおラジドリはカウンターを当てながらドリフトさせるので、ロール方向とステアリングの向きがグリップ車とは逆の関係になり、アッカーマン効果の出方が独特なものになります。
ラジドリとグリップ車を楽しんでいる人は、考え方の違いに注意してください。
キャンバー角
キャンバー角は、車を前または後ろから見たときのタイヤの角度のことです。
八の字が『ネガティブキャンバー』、逆八の字が『ポジティブキャンバー』といいます。
通常ラジコンカーでは0~2度ほどのネガティブキャンバーをつけますが、ラジドリでは10度近いネガティブキャンバーをつけることもあります。
ネガティブキャンバーを多くするのは見た目重視ということもありますが、タイヤの種類によっては適正なキャンバー角を与えておかないと操縦性がシビアになり過ぎてしまうので注意しましょう。
特にタイヤセンターが樹脂、サイドがゴムのタイヤでは、接地面角度に合わせたキャンバー角にしておかないとグリップ変化が大きくなります。
キャンバーはロールによって変化する『キャンバー変化量』の設定も大切なセッティングポイントです。
キャンバー変化量はアッパーアームの長さ・角度により変化させますが、ロールしたときにタイヤの接地面が適切になるように調整した後、変化量をコントロールしてみましょう。
アライメント調整はトータルで考えることが重要で、どれかを突出させると全体のバランスを崩してしまいます。
変化させたことで車の動きやステアリング特性の違いを感じながら、少しずつ理想のドリフトに近づけていきましょう。