ラジコンカーのセッティングの要がスプリング
ラジコンカーのダンパーに装着されているスプリングは、マシンの車重を支えているだけの存在に見えます。
しかしギャップ走破やハンドリング、加・減速時などのマシン特性に大きな影響を与えるパーツです。
ラジコンカーのドリフトマシンは固い樹脂製タイヤを使うことが多く、タイヤでの衝撃吸収が全く無いのでスプリング特性がマシンの姿勢に大きく影響します。
ラジコンカースプリングの種類
ラジコンカーのスプリングには、
- バネの線径
- バネの巻き数
- バネを巻いている向き
- 全長(自由長)
- バネ末端の処理法
- 等長ピッチか不等長ピッチか
これらの違いや組み合わせにより多彩にラジコンカーをセッティングすることができます。
基本的にはキット標準スプリングからスタートします。そしてバネ線径を0.1mm単位で前後させて、ハンドリング特性やロール時の姿勢などを調整していきます。
マシンの重心位置がセンター付近にあれば前後スプリングが同じになることが多いですが、サスペンションアーム取付け位置によるレバー比やダンパー取付け角度などの差異により、必ずしも前後スプリングが同じになるとは限りません。
この机上でのスプリングチョイスセッティングのコツは、マシンの重心付近を上から押して前後サスペンションが同じように沈むことです。
前後どちらかが固くてサスペンションが作動しないスプリングチョイスは、操縦性が極端に変化すると知っておきましょう。
線径が同じでも巻き数や全長で違う特性に変化する
例えば同じ1.2mm線径のスプリングでも、巻き数や全長により特性が変わってきます。
線径と全長が同じでも巻き数が多くなれば、そのスプリングのほうが柔らかくなります。また、線径と巻き数が同じでも全長が長くなれば、そのスプリングのほうが固くなります。
この巻き数と全長の関係は、スプリングを伸ばして一本の棒状にした時を想像すると分かりやすいでしょう。
巻き数が多い、または全長が長いほど棒状にしたときの長さが長くなることで捩じりやすくなり、柔らかいスプリングになります。
同じ全長内で違う特性を持たせたスプリングが不等長ピッチです。
片側の巻き数を少なくして、反対側の巻き数を多くすることでスプリングの縮み始めは柔らかく、縮んでいくに従って巻き数が少ない部分が作動し始めて固いスプリングに変化していきます。
ドリフトマシンなら初期ロールを出したいが、深いロールを制御したい場合などは不等長ピッチを装着してみると良い結果が得られることがあります。
スプリングはバネの巻き方向が右巻きか左巻きかでも特性が変わります。
例えばシャフトドライブ車などで左右のステアリング特性が違うときなどには、左右でスプリングの巻き方向を変えることによりステアリングの癖が減少することがあります。
このようにスプリングひとつでも様々な違いがあり、多種多様なセッティングを施すことが可能になります。同じスプリングにこだわらずに、様々なスプリングを試すことで新たな発見があるかもしれません。
もしセッティングに迷っても、最初のスプリングセットを記録しておけば元に戻せるので失敗を恐れずにチャレンジしてみましょう。