
ラジコンカーのエンジン構造や、ラジコンカーエンジンのメンテナンスpart.1、ラジコンカーエンジンのメンテナンスpart.2も合わせてご覧ください。
なぜラジコンのベアリングを交換する必要があるのか
ラジコン用のエンジンの多くは2つのボールベアリングでクランクシャフトを保持しています。レーシングエンジンだとエンジン運転中のベアリングは、常時数万回転して激しい加減速を絶えず繰り返しています。
このためベアリングボールとアウター・インナーレースの溝が磨耗したり傷が付いたりしてベアリングにガタが発生してきます。ガタが酷くなるとクランクシャフトが暴れるように回転するので、クランクケースを削ったりピストンを上死点以上に押し上げたりしてエンジン性能を低下させてしまいます。
また、ベアリングが錆びることが多々あります。ラジコンエンジンの燃料にはオイルが混合されているので、ベアリングは常にオイルまみれになっているはずです。ではなぜ錆びるのでしょうか。
燃料にはニトロメタンが入っています。ニトロメタンは燃焼すると分解して硝酸ができます。硝酸は強酸なので、エンジン内部のパーツを錆びさせてしまいます。特に鉄製であるベアリングとクランクシャフトが錆びやすい状態になります。
錆びが生じて剥がれると段々とパーツの寸法が変化してくるので、錆びが酷くなる前にベアリング交換をして性能維持をしましょう。
ベアリングプーラーを使った交換方法
ラジコンエンジンのベアリングはクランクケースに圧入されているので、そのままでは外すことができません。
交換方法にはベアリングプーラーを使う方法があります。動画のような専用プーラーがあれば常温で交換できるのでサーキットなどでも交換できます。このような専用プーラーは入手困難なので見つけたときが買いでしょう。
また、関西のRCショップから「Bポン」というネーミングで専用プーラーを販売しているので調べてみてもいいでしょう。
汎用品ですが、このようなベアリングプーラーも市販されています。様々な径にアタッチメント交換で対応できるのでひとつ持っていてもいいかもしれません。
専用プーラーを使うときには、とにかく無理な力を加えないように注意してください。ベアリングを抜くときも挿入するときも無理をするとクランクケースが割れる恐れがあります。
ベアリングの表裏も間違えないようにしましょう。
熱膨張を利用する交換方法
熱膨張を利用した交換方法は古くから用いられています。クランクケース外周をトーチや工業用ドライヤーで暖めてベアリングを交換します。
なぜクランクケースを暖めるとベアリングが交換できるのでしょうか。
ベアリングは鉄製でクランクケースはアルミ製です。材質の違いで熱膨張率が違います。また、アルミのほうが熱伝導が高いのでクランクケースのほうが早く膨張します。
これらを利用して、クランクケースが膨張して広がったときにベアリングの交換をします。冷めれば収縮して圧入状態になりベアリングは固定されます。
これは焼きばめと呼ばれています。焼きばめは火気を使用したり高温になるのでヤケドに注意です。使い古したエンジンマウントを取り付けて、エンジンマウントをプライヤーなどで掴んで作業しましょう。
エンジン温度計を持っている場合には表面温度を確認しながら作業するといいでしょう。クランクケース表面が60~80度くらいになればベアリングが外れるはずです。
なお温度を上げすぎると、ベアリングが膨張してきて再び圧入状態に戻って外れなくなります。クランクケースが歪んだり溶けたりする恐れもあるので、温度管理には注意してあせらずに作業しましょう。
ベテランでもよくやるのが、外したベアリングを再び挿入してしまうミスがあります。気をつけましょう。






















