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電動RCカーで避けて通れないはんだ付けをうまく仕上げるには
電動ラジコンカーを楽しむ上で避けて通れないのが「はんだ付け」です。
サブCバッテリー+ブラシモーターの頃はコネクターを使わずに毎パックごとに配線を脱着していたので、いつの間にかはんだ付けのテクニックが上達したものです。
最近はコネクターを使うことが多くなってはんだ付け回数は減ったものの、ESCやブラシレスモーターへのはんだ付けの難易度は高くなったようです。
今回は上手にはんだ付けを仕上げる方法やコツについて紹介していきましょう。
上手なはんだ付けを実現するのに必要なもの
昔から同じはんだごてを使い続けていたり、たまたまホームセンターで安売りしていたものを使っているなど、はんだごてに無頓着な人が意外と多いようです。
しかしはんだ付けが上手くいくかどうかは、はんだごてで全てが決まるといっても過言ではありません。
ラジコンカーの配線に適したワット数/出力を持つはんだごてや、こて先を選ぶことではんだ付けが驚くほどうまくできるようになります。
はんだごて
ラジコンカーの配線は太くて、なおかつ短時間ではんだ付けを終わらせないと高価なESCにダメージを与えてしまいます。
そのため一般的なはんだ付け作業よりも、高出力で蓄熱容量の大きなはんだごてが必要です。
goot(グット/太洋電器産業)のはんだごてはお求めやすい価格なのに長寿命なのが特徴で、使いやすい製品です。
電動RCカーの配線作業にはセラミックヒーターがおすすめです。出力は40~60W程度を持つ高出力タイプを選びましょう。
HAKKO(白光)のはんだごても、多くのRCカーファンに愛用されています。
温度制御ありタイプのFX-600かFX-601を選べば常に最適なこて先温度をキープできるので便利です。
出力は47~50Wなのでラジコンカーの太い配線でも問題ありません。
こて先
ラジコンカーの配線作業をするときは、はんだごての先端が太いこて先でないと熱がうまく伝わりません。
4~5mm径の太さで、先端を斜めにカットしたこて先に付け替えましょう。
はんだこて台
高温になるはんだごては置き場所に困りますが、はんだこて台があれば安全に保持できます。
海綿状のスポンジに水を含ませることでこて先の掃除や温度調整ができて便利です。
はんだ
せっかく通電性のいいシリコンコードを使っていても、抵抗が大きいはんだを使っていたら意味がありません。
ラジコンカーの配線には銀メッキされたものが多いので、銀入りはんだを使って抵抗の上昇を最小限に抑えるようにしましょう。
この他にフラックスやはんだ吸い取り線、小型バイス(万力)などをそろえておきましょう。
上手なはんだ付けのコツ・ポイント
はんだ付けで重要なのがこて先の温度です。こて先を濡れた海面スポンジで拭いて金色に見えれば適温です。
温度が低ければこて先に残ったはんだが溶けないので銀色のままです。
温度が上がりすぎるとこて先が青く見えるようになるので、濡れた海面スポンジにこて先を押し当てて温度を下げます。
配線に予備はんだをしておく
配線の被覆をむいて、いきなりはんだ付けしても、太い配線になかなかはんだが染み込まないので失敗する確率が高くなります。
まずはリード線や端子に予備はんだをして、あらかじめはんだを馴染ませておきましょう。
予備はんだのやり方は、
- リード線の被覆を4~5mmむく
- 芯線を手でねじる
- 芯線にこて先を当てて5秒ほど温めたらはんだを流し込む
はんだを流し込むときに同じ場所からはんだを供給していると、芯線の余分なところまではんだで固まってしまいます。
リード線を転がすようにしてはんだを流していけば、まんべんなく予備はんだすることができます。
ESCやモーターの端子にも薄く予備はんだ(はんだメッキ)しておきます。
芯線と端子は密着させる
芯線と端子が離れた状態ではんだ付けすると、間に挟まれたはんだが電気抵抗になって通電効率が悪くなってしまいます。
芯線と端子は密着させてからはんだ付けするようにすれば、余計な抵抗を増やささずに本来の性能が発揮できます。
加熱しすぎない
はんだが外れることを心配していつまでもこて先を当て続ける人がいますが、ESCやモーターは加熱しすぎるとトラブルの原因になります。
前述したように40~60W程度のはんだこてを使い、4~5mm径の太さで先端を斜めにカットしたこて先を用いれば、4~5秒ではんだ付けが完了するはずです。
配線の長さは短くしすぎない
通電効率を高めるには配線をできるだけ短くするのがセオリーです。
しかし短すぎる配線はラジコンカーの走りに影響を与えるので注意しましょう。
特に1/12レーシングカーや1/10 F-1などのダイレクトドライブカーはリアサスペンションの動きを規制してしまうので、ロールやピッチングを考慮した配線長さにすることが大切です。
配線処理やはんだ付けにはその人のセンスが現れます。
美しい配線とキレイなはんだ付けが施されたラジコンカーはそれだけで速そうに見えるから不思議ですね。