ラジコンカーのエンジン構造

※この記事の画像は全て「小川精機株式会社」様のサイトから引用させていただきました

ラジコンエンジンの構造と名称を知っておこう

複雑で難しいと思われているエンジンですが、ラジコンエンジンは比較的単純な構造になっています。

ここではカー用エンジンを題材に各部構造と名称を説明します。

ラジコンカーのエンジン

点火プラグ

ラジコンカーのプラグ

グロープラグとも呼ばれ、エンジン始動時には1.2~1.5Vの電源にてフィラメントを赤熱させます。

一旦始動すれば燃焼の余熱でフィラメントが赤熱し続けます。ガソリンエンジンのような点火系統を車載することが不要なので、シンプルな設計になっています。

なお、フィラメントは白金(プラチナ)で作られており全長を稼ぐためにらせん状になっています。

プラグ番手はフィラメントの太さ違いを表し、赤熱維持時間を変えて低回転重視や高回転重視に対応させます。

ヘッド

ラジコンカーのヘッド

エンジンの最上部がヘッドです。クーリングヘッドとも呼ばれ燃焼熱でエンジンがオーバーヒートしないように冷却の役目をします。

なお、カー用エンジンは空気で冷やす空冷です。

ヘッドにフィンと呼ばれるヒダが多く備わっているのは表面積を増やして、空気に触れる面積を増やしているからです。

ヘッドには点火プラグが装着され、裏側は燃焼ドームの形状を成して燃焼室の一部として機能しています。

クランクケース

ラジコンカーのクランクケース

エンジンの母体がクランクケースです。エンジン構成部品の全てがクランクケースに取り付けられます。

また、マシンへの搭載部も兼ねており、エンジンマウントに固定する耳部分も有しています。

内部には混合気が通る通路(ポート)やクランクケース保持のベアリングがあり、ミクロン単位で加工されています。

材質はアルミ合金で熱交換率が高く、高強度を誇っています。

ピストン、コンロッド&スリーブ

ラジコンカーのピストン

ラジコンのエンジンはABCタイプが主流です。

これはピストン&スリーブのことを表しており、

  • A=アルミ製ピストン(Aluminum Piston)
  • B=真鍮製スリーブ (Brass Sleeve)
  • C=クロームメッキ(Chrome Plating)

の略です。

燃焼により発生した膨張圧力を受けるのがピストンです。

アルミ合金にシリコンなどを混ぜ、鋳造または鍛造で成形されます。

ガソリンエンジンのようなリングを持たず、ピストン外周上部に2~3本の溝を設けて潤滑油を保持するようになっています。

ピストンの上下運動をクランクシャフトに伝えるのがコンロッドです。

ピストンピン及びクランクピンでコンロッドを連結しています。材質は超アルミ合金(ジュラルミン)で削りだし品が大半です。

ピンが通る穴部は真鍮製ブッシュが埋め込まれています。

真鍮から削りだされたスリーブには掃気ポートや排気ポートが掘られていて、それらの形状、位置や数でエンジン特性を決定しています。

スリーブ内壁には硬度を上げるためにクロームメッキが施されています。

また、ラジコンエンジンはピストンリングを持たない構造のため、スリーブ内壁がテーパー形状になっており、ピストンが上がって上死点にいくとピストン外周とスリーブ内径がぴったり合うようになっています。

クランクシャフト

ラジコンカーのクランクシャフト

ピストンの上下運動を回転に変える役目をするのがクランクシャフトです。

また、ガソリンエンジンの吸気バルブとカムシャフトの役割も担当し、開口面積や角度でエンジン特性が決まってきます。

クラッチパーツが付くように特別な先端形状を持つものをパイロットシャフトまたはSGシャフトと呼んでいます。

高回転やねじりなどのあらゆる負荷に耐えるために、材質はクロームバナジウムなどの硬くて粘りのある鉄が使われています。

キャブレター

ラジコンカーのキャブレター

燃料と空気を混ぜて霧吹き状に噴射するのがキャブレターです。

材質はアルミ合金を主体に樹脂や真鍮などを組み合わせています。

エンジン回転をコントロールするバルブ形状により「スライドバルブ」と「ドラムバルブ」があります。入り口の口径は排気量に応じて設定されています。

キャブレターには2つのニードルが付いていて燃料と空気の混合比率をコントロールしています。

メインニードルは全域の混合気をコントロールしており、まずはここから調整します。

閉めていくことにより最高回転が上昇していきますが、ピークを超えた調整にするとエンジンがオーバーヒートしたり破損するので繊細に調整しましょう。だいたい時計の5分単位で調整します。

スローニードルはアイドリングからの立ち上がり、レスポンスを調整します。

甘すぎるとアイドリングが続かず、薄すぎると加速が鈍くなります。

メインニードルを調整するとスローニードルに影響するので、上手くシンクロさせることが大切です。

マフラー&マニホールド

ラジコンカーのマフラー

排気ポートからマフラーに排気を導くのがマニホールドです。

搭載するマシンに合わせて形状が決められています。

また、長さを調整することによりエンジン特性を変えることができます。

材質はアルミ合金です。マフラーは排気の最終出口であり、排気音を消音する役目があります。

排気の脈動を利用するチューンドマフラーがレーシングカーやツーリングカー、バギーで使われています。

材質はアルミ合金で複雑な溶接工程を経て作られています。

リコイルスターター

ラジコンカーのリコイルスターター

取っ手を引くことによりクランクシャフトを回してエンジン始動ができます。

ワンウェイベアリングによりエンジンが回転しているとスターターはフリーになります。

主に入門向けエンジンに装着されています。

 

実車のエンジンと比較して単純構造なラジコンカーのエンジンですが、40,000rpm近い最高回転を発生させるために独特の形状となっている部分があります。モーターにはない魅力がエンジンにはあるので、機会があったらエンジンカーにチャレンジしてみてください。
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