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ドリフトのラジコンはエンジンカーが少ないという質問
なぜエンジンカーのドリフトは少ないのでしょうか。
しかしエンジン特有の走行特性が適さないことなどの理由で、電動が主流になっていきました。
ラジドリ創成期に盛んだったエンジンドリフト
ラジコンカーのジャンルの中で、もっとも多くのユーザーに楽しまれているラジドリですが、そのほとんどは電動カーです。
ところがラジドリが誕生した当初は、エンジンカーをベースとしたラジドリが存在して、RCカー雑誌にエンジンドリフトの特集が組まれるほど盛んに行われていました。
ところがラジドリ分野が成長していくと、エンジンドリフトは淘汰されて電動が主流になっていきました。
なぜエンジンがラジコンカーのドリフトには向かないのか
誕生した頃のラジドリは、グリップで使用するパワートレインをそのまま流用していたために、現在のラジドリとは違ってとてもスピードが出るものでした。
そのためホバークラフトのように路面上を滑空する感じになってしまい、コントロールが非常に難しい代物であったことを記憶している方も多くいると思います。
電動カーの場合は23ターンや540モーターを使用してパワーを抑えたり、モーターは出力特性がフラットなので、ドリフトのようなスライド走行でもコントロール支配下に置くことは比較的容易にできます。
しかしRC用エンジンは、その性格ゆえに低・中速域を多用することが苦手です。出力特性が唐突なために、ドリフトには向かないと判断されて、エンジンドリフトは消滅していきました。
実車感の追及もエンジンドリフトが衰退した理由
ラジドリがここまでメジャーになったのは、実車感の追究の結果です。
リアリティーに富んだボディの作り込みやラジドリ専用シャシーの開発も理由の一端ですが、スケール感に合ったスピードに落ち着いたことが今までとは違うユーザー層を惹きつけた理由です。
エンジンドリフトが衰退した最大の理由は「スケール感を無視した速さ」です。
グリップのタイヤでも持て余すようなエンジンパワーを、スライド目的のドリフトタイヤで制御するのは無理な話です。
電動のラジドリも創成期の頃はとてつもないオーバーパワーで、エキスパートドライバーでないとまともにコントロールすらできないキワモノ的存在でした。
しかし実車感を追究していった結果、スケール感に合ったスピードに落ち着いていき、挙動やドリフト姿勢も実車そのものになっていったのです。
その結果として、従来の「速さ一辺倒のラジコンカー」には興味を示さなかったユーザー層がラジドリを楽しむことになりました。
これは余談ですが、これらの事実の中に「今後のラジコンカー業界が発展していくためのヒント」が隠されているような気がします。