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ラジコンカーのエンジンが掛からないのは原因がある
圧倒的なパワーやダイナミックな排気音がエンジンカーの魅力ですが、ラジコンカー初心者が困るのが「エンジンが掛からない」ときです。
周りにエンジンカーに詳しい人がいれば助けてもらえますが、そうでないと途方に暮れてしまうかもしれません。
そんなときのためにエンジンが掛からないときの原因や対策を覚えておきましょう。
エンジンが掛かる条件とは
エンジンが始動して、連続運転するには3つの条件をクリアすることが必要です。
・良い点火
・良い圧縮
・良い混合気
この3つのすべてを満たしていて、回転のきっかけを与えればエンジンが掛かります。
エンジンが掛からないのは、この条件のどれかに問題があるからです。
燃料がキャブレターに送られているのか
まず燃料タンクに燃料が入っているか確認しましょう。案外燃料の入れ忘れが多いものです。
キャブレターのニードルが閉まっていないことも確認します。
次にスターターでフライホイールを回転させたときに、燃料がキャブレターに導かれているか確認します。
燃料が送られていなければ燃料タンクの詰まり、燃料チューブの外れや亀裂、マフラープレッシャーの外れなどが考えられます。
燃料タンクの詰まりの確認は、タンクを車体から外して、キャブレター側の燃料チューブに息を吹いてみます。燃料が泡立てば詰まっていません。
※このとき吸い込んではいけません。燃料を飲んでしまいます。
プラグの不良、ヒート不足
プラグのフィラメントが切れているとエンジンが掛かりません。
プラグをエンジンから外してヒートさせて、赤く光るか確認します。
プラグヒートの充電不足や電池切れも確認しましょう。
プラグが緩んでいても圧縮不足でエンジンが掛からないので、しっかりと締めておきます。
プラグについてはこちらの記事を参考にしてください。
エアフィルターの詰まり
エアフィルターに泥やホコリが堆積していると空気を吸えません。新しいエアフィルターに交換するか、洗浄しましょう。
エアフィルターを外してエンジン始動すれば、エアフィルターの詰まりが原因なのか確認することができます。
ただしエアフィルターを外した状態でのエンジン始動は確認だけにして、走行させてはいけません。(エンジンが砂を吸ってしまいます)
スターターの不良
意外と多いのがスターターの逆回転です。
逆回転だと、どんなにスターターで回しても燃料は吸われません。
エンジン正面から見てフライホイールが左回転(反時計回り)になるように回転方向を合わせます。
リコイルスターターは小気味よく引かないとエンジンが掛かりません。
1回でロープを引こうとせずに、ロープ長の半分程度の距離で素早く連続で引いたほうが掛かりやすくなります。
どうしてもラジコンカーのエンジンが掛からないときには
今まで始動することができたエンジンなら、上記の項目をひとつずつチェックしていけばエンジンが掛かるはずです。
それでもエンジンが掛からないときの原因や対策を紹介していきます。
エンジンの組み立てに不備がないか
エンジンが掛からない原因としてメンテナンスなどの、エンジンの組み付けミスがあります。
ヘッドやバックプレートの締め付け不足、プラグが緩んでいる、キャブレターのオーリング不良などが考えられます。
フライホイールナットが緩んでいてもエンジンは掛かりません。
エンジンの構造についてはこちらの記事を参考にしてください。
圧縮抜け
長時間使用していたり、オーバーヒートの経験があるエンジンは、圧縮抜けを起こしていることがあります。
汚れたエアフィルターやフィルターオイルを塗らずに走行させたり、燃料に混じった砂が原因でピストンに傷を付けてしまうと圧縮が上がらなくなります。
プラグをしっかりと締めた状態でフライホイールを手で回してみて、上死点付近での圧縮感が弱いと感じたらピストン&スリーブの寿命です。
燃料の不良
燃料は一度開封すると吸湿や変質により劣化が進行していきます。
ひどく吸湿していたり、アルコール分が飛んでしまった燃料ではエンジンが掛かりません。
一度開封した燃料はなるべく早く使い切り、半年以上経過した燃料は使わないほうがいいです。
燃料についてはこちらの記事を参考にしてください。
ニードル調整が合っていない
ラジコンエンジンカーの初心者がもっとも陥りやすいのが、キャブレターのニードル調整が許容範囲を超えている状態を判断できないことです。
キャブレターのニードルは開けすぎていても(甘すぎでも)、締めすぎていても(薄すぎでも)エンジン始動ができません。
ニードルをグルグル回して最初の状態が分からなくなったら、説明書に記載されている初期設定に合わせ直します。
外国製エンジンの場合は個体差が大きいので、初期設定そのものがないことがあります。
そのときはベストなニードル位置を、「全閉から何回転開ける」のようにメモしておく必要があります。
エンジン始動できるニードル位置を探る方法
1.ニードル位置を探るには、まず燃料チューブを抜いて、プラグ穴から燃料を2~3摘シリンダー内に垂らします。
次にプラグを締めてからエンジン始動して、正常にエンジンが掛かることを確認します。
2.エンジンが掛かることが確認できたら、燃料チューブを元に戻します。
次にメインニードルをゆっくり右に回していき、止まったら左に2回転緩めます。
3.キャブレターを「アイドリングより少し開いた状態」にしてエンジンを始動させます。
掛かったら暖機運転後にメインニードルを調整します。
※キャブレター開度には注意してください。いきなり回転を上げるとエンジンが壊れます。
ニードル調整はこちらの記事を参考にしてください。
4.もし掛からなければ1/2回転ずつメインニードルを緩めながら、再度エンジン始動してみます。
5.何回かトライして掛からなかったら②に戻って、今度は1/2回転ずつメインニードルを締めていきながらエンジン始動してみましょう。
ラジコンカーのエンジンは始動できるニードル位置の許容範囲があまり広くないので、範囲外で掛けようとしても絶対に掛かりません。
特にニードルが甘すぎる状態でスターターを回し続けると、ウォーターハンマーを起こしてコンロッドを破損してしまいます。
エンジンが掛からないときは「良い点火、良い圧縮、良い混合気」を思い出して、原因をひとつずつ探ってください。条件がそろえば必ずエンジンは掛かります。